医学的・科学的に信頼できる教育法
モンテッソーリ教育は1900年代初頭にマリア・モンテッソーリ女史が、「子どもの家」と呼ばれる子どものために作られた環境において実践し、広く知れわたることとなった教育です。
それは生物学や生理学、精神医学など様々な分野の知識や、マリア・モンテッソーリ自身が子どもたちを観察することによって得られた知見を体系化したものであり、医学的・科学的にも信頼できるものとなっています。
実際、当時は仮説でしかなかったような内容も、昨今の科学の進歩により、科学的な証明がなされはじめ、さらに注目されています。
子ども主体の教育
では、具体的にモンテッソーリ教育はどのような教育法なのでしょうか。
もっとも特徴的な点は、子どもが主体となった教育というところです。
従来の教育法では、子どもは大人が教育しなければならない存在、しつけなければならない存在としてとらえられています。大人が子どもを教育する=大人主体の教育法とも言えます。
一方で、モンテッソーリ教育では、子どもは自分自身を成長させることのできる存在としてとらえています。子どもが子ども自身を教育する=子ども主体の教育法なのです。
モンテッソーリ教育において、わたしたち大人ができることは、子どもの自己教育力を信じ、子どもを一人の人間として尊重すること、子どもを導くこと、子どもが能力を出し惜しみなく発揮できる環境を用意することです。
「コソダチ」の由来
モンテッソーリ教育の目指す世界
モンテッソーリ教育の環境には、「自由と規律」があります。
自分で活動を選ぶ自由は、子どもたちに思考し決断する経験を与え、「責任感」「自立心」を芽生えさせます。
また活動を繰り返す自由は、子どもの「集中力」をはぐくみ、何度も成功を繰り返すことで満足感を感じ、それは「自己肯定感」へとつながっていきます。
そして、そんな自由な環境の中でも規律があることで、無秩序にならず「自己コントロール」を身に着けることができます。
「自己コントロール」は目標の実現する「実行能力」に欠かせないものです。(自己コントロールと実行能力の関係については、ダイエットをすると決めたのに、なかなかうまくいかないといった状況を想像してみてください)
こうした環境で育ったモンテッソーリ教育の子どもたちは、心が満たされています。
一人の人間として尊重されているからです。
そうやって自分の心が満たされてはじめて、他人を尊重するということができるようになっていきます。
それは自己犠牲ではない、本当の意味でのやさしさや思いやりです。
自分の身の回りの人を尊重する、単純なことですが、それを世界中の人々が実践することができたらどうでしょうか。
そこには争いのない平和な世界が待っているはずです。
マリア・モンテッソーリは教育を通して平和な世界の実現を目指していたのです。